2017/05/11

栄養士コラム Vol.18 ビタミンの働き~脂溶性ビタミン~

ビタミンの働き~脂溶性ビタミン~
 
「からだにいい」「野菜、ビタミンを摂りましょう」とよく聞きますよね。今回は五大栄養素の一つ、ビタミンについてです。
ビタミン自体はエネルギー源にはなりませんが、他の栄養素の働きを助けたり、からだの機能を整える働きがあります。
ビタミンは全部で13種類あり、その性質の違いで脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンと大きく2つに分けられます。今回は、脂溶性ビタミンについてお話しします。
それぞれのビタミンの効果と上手な摂り方をまとめたので、お料理をするときの参考にしてみてください。

ビタミンA
皮膚や消化管の粘膜などを保つ働きがあります。感染症の予防、免疫力を高める効果があります。ビタミンAの前駆体であるβ-カロテンは、抗酸化力を持っており、老化やガンの抑制をします。
過剰症:頭痛や嘔吐、骨障害、脂肪肝、妊娠初期の過剰摂取による胎児奇形や流産
欠乏症:夜盲症、成長障害
上手な摂り方:ビタミンAは豚や鶏のレバーやアンコウ、銀ムツ、鰻の蒲焼などの動物性食品に多く含まれています。β-カロテンは人参やモロヘイヤなど緑黄色野菜に多く、生食よりも油脂で調理したほうが小腸での吸収が高まります。

ビタミンD

ビタミンDは酵素によって活性型ビタミンDになり、小腸でカルシウムとリンの吸収を促進させ、骨の形成を促進させます。血中カルシウムは筋肉の収縮や神経伝達など、大切な働きをします。活性型ビタミンDは血中濃度をコントロールしてくれます。
過剰症:高カルシウム血症、腎障害、石灰化障害
欠乏症:特に妊婦さんや授乳中の人は骨軟化症、子供では、骨の成長障害。
上手な摂り方:アンコウ、サケ、サンマなどの青背魚や、きくらげなどのきのこ類に多く含まれます。また、ビタミンD前駆体のエルゴステロールはきのこ類に多く含まれており、紫外線によってビタミンDに変わります。


ビタミンE

強い抗酸化作用を持つビタミンEです。細胞の老化を防ぎ、血中LDLコレステロールの酸化も防ぐ働きもあり、動脈硬化の予防が期待できます。また、血管を広げ血行をよくする働きもあり、肩こりや冷え症改善効果が期待できます。
欠乏症:赤血球の溶血や、稀に神経障害
上手な摂り方:サケ、鰻の蒲焼などの魚介類、ひまわり油などの植物油、かぼちゃやアーモンドに多く含まれています。また、ビタミンC、B2、β-カロテンなどと合わせて摂ると抗酸化力がアップします。
ビタミンK

血液凝固因子であるプロトロンビンを生成し止血させます。また、骨づくりに必要なオステカカルシンを活性化させる働きがあります。ビタミンDと一緒に摂りたいですね。
上手な摂り方:納豆、ほうれん草、春菊、小松菜などの緑黄色野菜や海藻類に多く含まれています。熱に安定しており、油脂と一緒に摂ることで吸収を高めます。




一言で「ビタミン」と言っても、13種類あり、野菜だけでなく魚や肉など様々な食材に含まれています。
多くの食材を上手に組み合わせたいですね。